FRSは本社オフィスをリニューアルしました

今回のコラムは、FRS本社リニューアル・プロジェクトのレポート。

FRSの本社オフィスは、2021年5月、従来のシンプルなオフィスから、ABW(※1)の思想と感染症対策を意識した新しいオフィスへと生まれ変わりました。工事期間中は、お客様やパートナー様をはじめとする関係者の皆様には、折々にご不便をお掛けいたしました。

  • ※1オランダ発祥の、働く人がいまやるべき仕事に対して、いつ・どの場所でやるのが最も効率がいいかを自分で決めることができるというワークスタイル(Activity Based Workingの略)

コラムでは、プロジェクト内容を少しだけご紹介させていただく傍ら、読者の皆様の日頃の課題解決やオフィス周りの業務に少しでも参考にしていただけるよう、エッセンスを抽出しお伝えできればと思います。

最後までぜひお目通しください。

リニューアルの目的は何か?

さて、FRSは今回なぜリニューアルを考えたのでしょうか。早速事情に詳しそうな上司から情報を得ました。

当社のオフィスは、新卒入社者を迎え手狭になりつつありました。また、向かいのビルの分室との統合も検討していて、リモートワークが定着してきたこのタイミングが、フリーアドレスを用いたABWオフィスへと移行できる最適なタイミングだと考えました。移転ではなくリニューアルを選択したのは、工数や費用をシミュレーションしたときに、圧倒的にリニューアルのほうが合理的だったから。

移転か、またはリニューアルか、という選択肢が当初あったそう。現賃料やエリア相場の変動状況、それらを踏まえた初期費用・月額費用のシミュレーションなどの経済条件、そしてプロジェクトにかかる工数の大小等々、総合的に鑑みて決定したとのことでした。結果的にオフィス賃料も26%の削減へとつながりました。

一緒に併走(成長)できるオフィス

企画書の一部

さて、ここからはプロジェクトの内容を紹介させていただきます。今回のプロジェクトのコンセプトは、

一緒に併走(成長)できるオフィス

です。これまでも、お客様の成長に伴走しながら自分たちも経験を通して成長してきたFRS。

社員数が増え続けても、質の高いコミュニケーションと効率的に業務を推進できる環境(≒集中)を創ることで、会社として、個人として、「成長」し続けていくためのオフィス環境の追求を目指しました。

また、新人教育はリアルなコミュニケーションを特に重視していることもあり、リアル、リモート双方で質の最大化を追求していくプロジェクトだったといいます。

質の高いコミュニケーションを醸成する仕掛け

「質の高いコミュニケーション」と「効率的に業務を推進できる環境(≒集中)」の両立を目指したリニューアル・プロジェクト。まずは導入されたいくつかのツールをご紹介します。

ソロワークや先輩社員とのペアワークに最適なファミレス席

Web会議など、周囲の目を気にせずに集中できる環境(予約制で運用)

さっと集まってMTGが出来るハイテーブル。椅子を外し大人数で打ち合わせすることも可能。
歩行者とも目線が合うので活発な会話が生まれる

大人数で打ち合わせの時はカーテンで仕切ることも可能な多目的広場(ランチタイムを除いて予約も可能)

これらの環境によって、コニュニケーションワークと集中ワークの目的別に使い分けが可能となります。また、「挨拶の文化」を大事にしていることから、活発に挨拶が飛び交いやすいように回遊導線を設けた設計が施されいます。

短納期でプロジェクトを遂行できた秘訣は何か

工程表サンプル

今回の社内プロジェクトは、計画から約3カ月と通常の半分程度の期間。しかも、プロジェクト・チームは日頃のお客様向けの仕事と並行しての業務であり、時期は繁忙期真っ只中…多忙を極めていたであろうことは想像に難くありません。その短納期で完遂できた要因を尋ねてみると、

役割を明確にしたチーム組成

検討期間や意思決定のタイミングを考慮したスケジューリング

この2つに尽きるといいます。

様々な職種のメンバーが集まってプロジェクトを推進していく過程では、色々なアイデアや意見が出るもの。それを短期間でまとめ上げるためには、まず軸となるコンセプトをしっかりと作っておくことが大切。途中、行き詰った時、迷いが出たときは、そのぶれないコンセプトに立ち返ることができます。あとは、体制づくり。分科会では役割を明確にしたうえで、スケジュール通りに各々が業務を進め走り切ることが重要とのこと。

それらを、最初の段階からあたりまえの様に実行できた事が、今回短納期でプロジェクトを遂行できた秘訣です。

また、分科会では定期的に進捗状況や問題点を共有していったそう。MTGは繁忙期ということもあり、外出先からオンラインで実施していたとか。

プロジェクトの落とし穴

プロジェクト推進における注意点として、今回2つのポイントを紹介させていただきます。

① 関係者へのアプローチを疎かにしない

ひとつ目に大事なことは、関係者、特に協力を得たい社員に向けた、早め早めの情報共有。

例えば、既存の環境に不満を持っていない社員にとっては、リニューアル期間の不自由は、大きなフラストレーションになりやすいもの。そうならないためにも、プロジェクトの真意や、目指している効果などを丁寧に周知・徹底していったそう。

② 運用ルールを定めておく

ふたつ目は、新オフィス稼働後の利用方法や、全体で意識しておくべきことなどを、予め想定しておくこと。

新しい環境は、誰にとってもストレスがつきもの。そんなストレスを軽減できるよう、先回りして準備、できるだけドキュメンテーションしておくことが効果的だといいます。

オフィス内に掲示された運用ルール

清潔な環境を保つためには、利用者ひとりひとりの心掛けが重要

集中ブースのテーブルに置かれた運用ルールを示すピクトサイン

まとめ

最後に、プロジェクト成功のポイントを整理してみたいと思います。

目的を整理し、コンセプトを明示する

役割を明確にしたチーム体制をつくる

検討期間や意思決定のタイミングを考慮したスケジュールを用意する

関係者への周知

リニューアル後の運用ルールを決めておく(できればドキュメントに)

これらをおさえておくことで、プロジェクトの成功確率はぐっと高まりそうです。

とはいえ、リニューアルや短期間のプロジェクトでは、専門知識や経験も大事で迷ってしまうこともしばしば。また、企業ごとにオフィスに必要な機能も異なります。

FRSでは、そんなプロジェクトも数多くお手伝いさせていただいています。何から始めればよいか分からない企業様も是非ご相談ください。

お客様に併走させていただきます。

(著:FRS広報チーム)

写真集

少しずつ出来上がっていく様子をスライドでご覧ください

エントランス付近造作壁の下地材LGS(軽量鉄骨)

新規に敷き直したOAフロア。上に敷かれるフローリングシートのカッティングに職人の技が光ります

左:左官で仕上がっていく壁。少しずつエントランスの顔に
右:立ち上がったばかりの会議室のパーティション

会議室

会議室は、FRSの頭文字にちなんで、「Fan」「Run」「Sun」と明示されています。

会議室サインの説明

「Fun」はシックに仕上げられた8名会議室

防音対策も万全

「Run」は4名会議室。明るく爽やかなトーン

「Sun」