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  • いま、「学び」が求められる理由

    いま、「学び」が求められる理由

    2023年12月5日、東京都が発表した高校の授業料無償化に関する報道が大きな注目を集めました。

    その内容は、来年度から所得制限を撤廃し私立高校を含め実質無償化とする方針を固めたというもの。東京都を皮切りに、今後全国に展開されていく方針のようです。このことは、政府がいよいよ本格的に教育のテコ入れを始めるという力強いメッセージと受け取ることができます。家計に大きな恩恵をもたらす決定に、好意的な声が多数あがっているといいます。

    その一方で、昨今、社会人の学び直し・再教育である「リスキリング」の必要性について、メディアで取り上げられる機会が増えています。学びによって個人の能力を高めていくことで、人生100年時代を不安なく過ごすことができ、人工知能・生成AIに業務を代替されずにすむのだ、という論調です。

    今回のブログでは、これからの時代に「学び」が必要であることを示す、5つのキーワードについて整理していきたいと思います。

    学びが大切であることを示す5つのキーワード

    ①    生成AIの急速な進化

    2023年多くの話題をさらったのは、何といっても「ChatGPT」を筆頭とした人工知能を駆使した生成AI。急速に一般の生活の中にも浸透し始めました。生成AIは、テキスト、画像、音声など、さまざまなデータを生成する人工知能をさします。生成AIは、

    ・データ量の増加
    …インターネットやSNSの普及で大量に蓄積されたデータが生成AIの学習に活用され、生成AIの精度が飛躍的に向上した

    ・コンピューターの性能向上
    …コンピューター性能の向上によって複雑な処理を実行できるようになり、より自然で精度の高いデータ生成が実現されるようになった

    ・アルゴリズムの改良
    …アルゴリズムの改良によって、生成AIの精度や創造性が向上。深層学習の技術の進化は、特に生成AIの進化に大きく貢献した

    これらを背景に、近年急速な進化を遂げています。生成AIの進化は、自然で創造的なコンテンツの生成、新たな商品やサービスの開発、社会課題の解決などに大きく貢献することが予想され、今後もさらに加速していくと考えられます。

    また、巷で話題になることが多いのが、AIに代替可能な職業について。現時点で、AIはルールに基づいて判断を行う職業、定型的で単純な作業を行なう職業を得意とします。AIに代替されない仕事は、創造性、人間関係構築能力、状況判断力などの能力が必要な仕事と考えられています。

    ②    人生100年時代

    「人生100年時代」とは、2016年に日本語訳が発売された「LIFE SHIFT(ライフ・シフト 100年時代の人生戦略」(東洋経済新報社)の中で提唱された言葉。著書では、寿命の長期化によって先進国の2007年生まれの2人に1人が103歳まで生きる「人生100年時代」が到来するとし、100年間生きることを前提とした人生設計の必要性を論じています。このキーワードは、著書の購読者の増加に加えて、当時の政府要人によって度々活用され日本中に知られることに。

    従来の大まかな人生設計では、「20年学び(教育)、40年働き(仕事)、20年休む(老後)」の3段階が一般的でしたが、人生100年時代では、学び直しや転職、長期休暇の取得など人生の選択肢が多様化すると予想されています。

    ③    Society5.0

    画像引用:科学技術政策(内閣府)より

    Society 5.0とは、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムによって、経済発展と社会的課題の解決を両立する新たな社会を指すもの。狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く次世代の社会として、第5期科学技術基本計画において我が国がめざすべき姿として提唱されました。

    このSociety 5.0で実現する社会は、IoTによってすべての人とモノがつながり、さまざまな知識や情報を共有、新たな価値を生み出し、さらにAIやロボット、自動走行車などの技術により、少子高齢化や地方の過疎化、貧富の格差などの社会課題を解決するものとしています。

    ④    STEAM教育

    STEAM教育(スティームきょういく)とは、 理数系・科学技術などの知識や、創造性を養うだけでなく、各分野を横断的に習得することで、現実社会の課題を発見する力、物事を立体的に捉えて解決する力、新しい価値を創造する力など、課題の発見・解決や社会的な価値の創造に結び付けていく資質・能力の育成を養おうとするもの。テクノロジーが日進月歩で進化し、人工知能の影響で世の中が大きく変化するなかで生まれました。

    2000年代に米国で提唱された、Science(科学)、 Technology(技術)、 Engineering(工学)、Mathematics(数学)を統合的に学習する「STEM教育(ステムきょういく)」に、 さらにArts(リベラル・アーツ)を統合する教育手法。

    ⑤    GIGAスクール構想

    GIGAスクール構想とは、義務教育段階にある全国の小学校・中学校におけるICT環境を整備する中で、児童生徒用のパソコン端末1人1台、そのパソコンをインターネット環境につながるようにするための校内LANや無線LANなどの高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備する構想で、その整備にかかる費用を国が補助する制度です。

    まとめ

    今回は、学びに焦点をあててお送りしてきました。年末年始にゆっくりお過ごしになるかたは、2024年をさらに良い一年にしていくために、学びにも時間を費やしてみることをおススメします。

    個人の学びへの意欲も必要である一方で、会社側から従業員に対して学びを促進するオフィスの仕掛け・環境を用意する企業も少なくありません。例えば、ライブラリスペース、高集中ブース、セミナースペースに早変わりする空間などは、採用する企業が増えています。

    それらの環境づくりに興味のあるかたは、お気軽に当社までお問い合わせください。オーダーメードの環境をご提案させていただきます。

    さいごまでお読みいただきありがとうございました。

    (著:FRS広報チーム)

    参考資料

    ・Society 5.0とは(内閣府)