
前回のオフィスビルの環境性能についてのコラム(オフィスビルの環境性能を紐解く)に引き続き、今回もSDGsに関連したコラムをお届けします。テーマは、オフィス家具の再生。
当社は、基幹事業のひとつであるオフィスづくりを行なうとき、まだまだ使用可能なオフィス家具が大量に廃棄処分される場面を数多く目の当たりにしています。オフィス家具は、故障による使用不可や重度の汚れ等の通常使用が難しい状態になる前に、廃棄されるケースがほとんどなのです。例えば、
- 内装リニューアルに合わせ新調する
- 移転を機に入れ替える
- 現使用モデルの販売中止を機に刷新する
このような場合です。一部の大企業では、5年ごとにチェアを買い替えるルーティンを設けているケースも。
環境問題への配慮から、カンタンに家具を廃棄するのも憚られる昨今。今回のコラムでは、当社の推奨する「環境問題に配慮しながらもオフィス家具を再生させる方法」についてご提示したいと思います。
オフィス家具の再生

オフィス内を見渡してみると、非常に多くの家具や什器から成っているようにみえます。その代表格が、デスク、キャビネット、そしてチェア。この3種の家具があると、オフィスとして機能できそうです。
当社では、2022年にサステナブルなオフィス空間の構築をめざすパッケージ「エコワク」をリリースしました。

そのサービスメニューのひとつが、当社が参画している「キイノクス オフィス プロジェクト」(以下、「キイノクス」)。キイノクスは、キイノクスの理念に賛同する企業の共創による事業活動のなかで、オフィス向けのプロダクトやパッケージを提供するプロジェクトです。
キイノクスでは、オフィス家具の販売を通じて国産木材の利活用、流通による自然環境の保護や地域経済の活性化等をめざします。そのなかから、デスク、キャビネットを再生するプロダクトをご紹介します。
■ デスクの再生

オフィスでもっとも大きな家具のひとつであるデスク。その大きさゆえに経年劣化や汚れが目立つ存在になりがちです。しかし、このプロダクト(製品名「WOWBLE」)なら、既存のデスクにオーダーメイドの国産杉材製の天板を備え付けるだけで、カンタンに新たなデスクとして生まれ変わらせることができます。
■ キャビネットの再生

次にご紹介するのがキャビネット。こちらは既存のキャビネットやロッカーを、「コの字型」に成形した国産木材で囲うことによって、まったく新しいプロダクトに生まれ変わらせることができます。
どちらのプロダクトも、複雑な工事をともなわずに再生でき、その後も繰り返し再利用することができます。また、国産木材に覆われたオフィス家具が身近にあることで、その風合いや香り、木のもつ温かみを感じ、オフィスワーカーに心理的に良い効果も期待できそうです。
キイノクスについて、詳しいことやその他のプロダクト群については、過去にリリースしたこちらの記事でご紹介していますので、ぜひご参照ください。
そして、3つ目にご紹介するのがチェアの再生。過去のコラムではご紹介していない当社の新サービスです。シンプルかつ効果的なチェアの再生方法をご紹介させてください。
よみがえるオフィスチェア

3つ目にご紹介するのがチェアの再生方法、それは、
ドライフォームクリーニング(DFC)
という手法です。「なんだ、クリーニングか」という声も聞こえてきそうですが、どうかもう少し読み進めてみてください。
背景として、さいきんのオフィスのあたりまえは、「固定席」から「フリーアドレス」に変わりつつあります。固定席のときは、他人様の席が汚れていても、さほど気にならなかったかもしれません。しかし、オフィスを利用する全員が利用する可能性があるとなれば話は違います。
過去には見て見ぬふりをしていたチェアの汚れが、フリーアドレス時代では見過ごせなくなってきました。チェアは清潔さがより一層大切になったというわけです。
チェアは、一年を通してオフィス家具の中でもっとも人が触れる場所。洋服を洗濯したり、クリーニングに出したりするのと同じように、チェアも長く使っていくためには、クリーニングが大切なのです。
ドライフォームクリーニング vs スチームクリーニング

オフィスチェアのクリーニングには、主に2種類の方法があります。
ひとつ目は、「スチームクリーニング」。ひと昔前の深夜のTVショッピングなどでもお馴染みでした。こちらは、高温の蒸気(スチーム)を一気に噴射することによって、表面についた皮脂汚れやシミなどを浮かせて除去しようとする工法です。高温であるがゆえ、除菌作用や、ダニが潜んでいた場合には殺虫作用の期待できるものも。
非常に有効なクリーニング方法であるような印象を受けるのですが、高温な蒸気によって、素材へのダメージが大きい、色落してしまう、接着剤が剥がれてしまう、生地が縮む、などのデメリットがありました。また、施工品質が一定でないという声も。
ふたつ目が、私たちの推奨する「ドライフォームクリーニング」(DFC)。こちらは、素材を痛めたり接着剤が剥がれたりすることがありません。専用のマシンを使い施工品質を一定に保ち、水分量も少なく済むために泡が消えにくく、汚れを回収し易い工法です。乾燥が早いのも大きなメリットとして挙げられます。
百聞は一見に如かず、クリーニングの施工前後でどのような変化があるのかを実際に画像で見比べてみましょう。
ドライフォームクリーニングの施工例
CASE 1 ビルメンテナンス企業様



CASE 2 設備会社様



人の身体と同じように、チェアにも定期的なデトックスを

施工のプロに聴くと、「どんなチェアでも、洗浄後に吸引した水分は茶色い」といいます。一見してキレイにみえるチェアの中には、皮脂汚れやホコリが溜まっているというわけです。
大手ECサイトなどで一般向けに提供されている洗浄サービスは、割高だったり、作業にムラがあることが多いといいますが、FRSの提供するDFC工法によるチェアクリーニングシステムは、ひと味もふた味も違います。その大まかな工程がこちら。
FRSが提供するチェアクリーニングサービス「チェアブル」
✓ 施工前の徹底した清掃
特にメッシュタイプなどはホコリが絡み取りづらいもの。事前の入念な清掃で仕上がりに大きな差!
✓ DFC工法によるクリーニング
米国製のハイパワーな専用機×日本企業の高品質志向!
✓ 高出力吸引機による汚れ・泡の吸引
手間を省くために拭き取りだけで済ませる会社が多いなか、当社のDFCはここも差異化!
✓ 足回り・肘掛けなどのクリーニング
高額なチェアほど部品点数も多い傾向も、仕上がりの美しさを追求すべく徹底的に!
✓ デルフィーノによる抗菌コーティング
感染対策も万全の備え。新型コロナウイルスの感染症法5類移行が決定した現在、自主防衛は必須!
「チェアブル」の詳細
さいごに

今回は、オフィス家具の再生について取り上げてきました。
ほんの数年前までは、従業員のために、採用強化のために、さまざまな理由で大金を使ってオフィス家具を刷新してきた企業が多いと思います。しかし、すでに物質的には豊かであり、環境意識の高まり続ける昨今においては、今回ご紹介したような手法によってオフィス家具に新しい命を吹き込んであげることこそが、人を惹きつけるのかもしれません。
そして、そういった会社の姿勢を誇りに思う従業員が、来訪客や社外に向けて自然と語っていくことで、付き合いたい会社だと思ってもらえるような好循環が生まれます。
今回の記事の内容について、また当社の新サービス「チェアブル」について、より詳しい情報をお求めのかたは、お気軽に当社までお問い合わせください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
(著:FRS広報チーム)