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  • ICT活用により柔軟な働き方を可能にする「テレワーク」とは?

    ICT活用により柔軟な働き方を可能にする「テレワーク」とは?

    2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催も近づき、大会に向け競技施設の建設、通信インフラの整備、宿泊施設の補填と着々と準備が進んでいます。

    国土交通省の調べによると大会期間中の人出は、観客・他大会スタッフ含め最大約92万人/日、うち78%の人が鉄道を利用することが予想され、東京都の公共交通機関及び道路の混雑など混乱が懸念されています。

    2012年のロンドンオリンピックでは、ロンドン市内の8割の企業が「テレワーク」への切り替えを促し、成功した事から交通緩和に繋がったとか。このロンドンの事例を元に、東京都も都内の企業に対しテレワークの導入を促し、大会期間中の交通混乱を避ける対策の一つとしています。

    テレワーク導入に伴う通信機器やシステム機器の購入は企業側の負担も少なくありませんが、東京都が指定した条件を満たした企業には機器購入の補助金制度も実施しています。

    今回のコラムでは、あらためてテレワークについて整理していきたいと思います。

    テレワークとは

    テレワークとは、「Tele =離れた場所で + Work=働く」の造語。ICTを活用し時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方のことです。柔軟な働き方が実現できることで、従業員の多様なライフスタイルに応じた働き方を選択することが可能です。

    テレワークは、大きく3つに分類することができます。

    サードプレイスオフィスに関しては言えば、ここ数年の新築ビルに不動産会社が企画・運営するレンタル・シェア・コワーキングオフィスの設置や、移動時間の合間を有効活用できるサテライトオフィスの開設など、入居企業が求める柔軟な働き方や業務効率のニーズに答える動きが見受けられます。

    また、かつてのサードプレイスオフィス利用企業の多くは、初期費用の手ごろさと賃貸期間を短く設定できるなどの理由から、設立が浅い企業や東京支店新規開設、短期プロジェクト用に利用するケースがほとんどでした。しかし最近では、企業間の交流や連携による事業タイアップなどを目的とするサードプレイスオフィスが増加した事から、企業規模問わずサードプレイスオフィスを利用するケースが増えてきています。

    テレワークのメリットは、

    ・優秀な人材確保(介護や育児による退職などを防ぐ)
    ・通勤が不要(交通費・移動費の経費削減)
    ・業務に集中できる
    ・BCP対策(災害や大型台風時でも自宅で業務可能)

    などが挙げられます。労働人口の減少が激しい日本にとっては、ある程度必要なものかもしれません。

    テレワークの導入率

    IDC Japanが発表した国内テレワーク導入率によると、2017年時点のテレワーク導入企業は14万社、2020年には29万社に増加すると予測しています。企業規模の内訳は、中小企業では4.9%、大企業では23.6%と、中小企業での導入が進んでいません(※中小企業:従業員が499人以下、大企業:従業員が500人以上とする)。

    導入が遅れている中小企業がテレワーク導入に踏み切れない理由として、

    ・適正な労務、人事管理が難しい
    ・適した仕事が少ない
    ・導入にコストがかかる
    ・情報漏えいなどのセキュリティ問題

    などが挙げられます。

    テレワークの導入方法は

    ①社内でトライアルを実施してみる
    テレワークの事例はネット上にたくさん掲載されていますが、業態や事業規模により課題や結果は様々です。まずは限られたメンバーでトライアルを実施してみましょう。トライアルを実施する事で導入に向けて何が必要かが明確になり、「適した仕事がない」と考えている企業では、自社業務の内容把握、整理、仕分けなどができ、テレワーク業務に当てられる業務が見付けられることがあります。

    ②補助金制度を活用する
    テレワーク導入には、通信機器の導入など一定の環境整備が必要。東京都には中堅・中小企業を対象とした助成金制度があります。申請が通れば助成を受けられますので機器購入費などに充てることができます。

    東京都「テレワーク活用推進コース」

    ③テレワーク実施時のルールを策定し、社員に周知する
    テレワーク導入の障壁となりやすいのが、勤怠管理や、情報漏えいの問題。最近では、始業・終業時に上長へのメールで管理する方法や、ICTを活用した勤怠管理を行なう企業と対応は様々です。

    トライアルを実施する事で、どのような勤怠管理が良いか、どういったセキュリティ対策が良いかの検討・ルールを策定し、決められたルールを遵守できるよう運営していくことが大切です。

    テレワーク導入に貢献するICTツール

    ①ビジネスチャットツール

    社内での相談や情報共有に適しており、コミュニケーションツールの一つとして多くの企業で導入が進んでいます。メールに比べレスポンスが良いので情報共有がし易く、大容量のファイル送信ができるなど気軽にコミュニケーションを取るのに最適です。メール作成時間の圧縮にも。

    一方、チャットに要する時間が長くなりがちな点や、休日・時間帯に関係なく受信するため公私の区別が曖昧のなり易いなどの声も。運用ルールを定めてからリリースしましょう。

    チャットツールの例)
    ・Chatwork(チャットワーク)
    ・Slack(スラック)
    ・Talknote(トークノート)
    ・TeamHack(チームハック)
     などなど

    ②サイバーセキュリティ「LanScope」

    活動状況の見える化により、勤怠・セキュリティを管理。テレワーク導入後の勤怠やデバイス機器のセキュリティを管理するツールです。デスクトップPC、ノートPC、携帯電話など様々なデバイスに対応し、いつどこで、どれだけ作業しているかまた、その作業時間の管理もできます。

    ・外出者の所在地、移動地履歴の確認
    ・デバイス、アプリ、電話の利用ログ管理
    ・遠隔でのデバイスには画面ロックやデータ化
    ・ドライブへのアクセスを制御し、紛失時は企業側で操作

    その他にも、様々なケースを想定したオプションがあります

    ③Web会議システム

    テレワーク時に複数名で会議が必要な際に便利なのがWeb会議システムです。情報共有はもちろん、意思決定が必要な会議・MTGにも非常に有効です。バラバラのメンバーがスケジュールを合わせて集まらなくとも、それぞれの場所からすぐに会議を始めることができるため移動時間の節約にもなります。

    Web会議ツールの例)

    ・「Cisco WebEx」(シスコシステムズ)
    ・「V-Cube」(ブイキューブ)
    ・「Meeting Plaza」(NTTテクノクロス)
    ・「Live On」(ジャパンメディアシステム)
     などなど数

    利用人数、ファイル送受信、デスクトップの共有、画像ファイルの共有、多言語対応の有無など、プロダクトごとに特色がありますので、運用を想定しながら選定していくことをおススメします。