
「ABW」という言葉をご存知でしょうか。ABW(Activity Based Working)とは、仕事の内容や目的に合わせ、オフィス内外で作業する場所を選択できる多様な働き方の事を指します。
オフィス内に作られた様々なスペースで仕事する事はもちろん、必要であれば社外に出てカフェや自宅でも仕事ができるというスタイルです。ABWは、90年台後半にオランダから始まったワークスタイルですが、現在はヨーロッパ各地、オーストラリアの企業でも導入が進んでおります。
自由に働けるという部分に着目しがちですが、各々が「自由=自己管理/自己責任」という意識が必要なスタイルとも言えます。企業側のメリットとしてはオフィス面積の削減が見込まれ、ワーカーの自主性も高まりやすくなります。一方働き手としても場所を変える事で外からの刺激を受けられる、一人で集中できる、時には会社に来て皆で集まる事の刺激も受けられる、と切替えがしやすいですね。日本での実態はどうなのでしょうか。
働き方に関する調査結果
ここでは、オフィス家具メーカーのオカムラ社による、興味深い調査結果がリリースされていましたのでご紹介します。
Q:あなたのオフィスには「ABW」のようなさまざまな選択をしてはたらくことができるスペースはありますか
企業規模
1,000名未満 ある:34% なし:61% 分からない:5%
1,000名以上 ある:35% なし:59% 分からない:6%
Q:「ある」と回答した方へ、「ABW」の効果として実感していることはありますか
1位:集中できる 62%
2位:仕事の効率が上がる 53%
3位:創造性が発揮できる 26%
4位:仕事上関係がない人とコミュニケーションが増える 19%
5位:モチベーションが上がる 18%
Q:「ない」と回答した方へ、「ABW」になるとどのような効果がありそうですか
1位:仕事の効率が上がる 46%
2位:集中できる 32%
3位:創造性が発揮できる 31%
4位:仕事上関係がない人とコミュニケーションが増える 29%
5位:モチベーションが上がる 26%
※(出典)WORK MILL Research Vol.0(株式会社オカムラ)
日本は従来からの固定席島型が定着している中で、様々な働く場所の選択肢があるという新しい試みは、社員の刺激やモチベーションアップに繋がりやすくなります。ただし、その場所ごとの有効性はゾーニングや導線を考慮しておかないと、うまく活用されませんので注意しましょう。