
新型コロナウイルスの感染者数が、世界で1億人を突破しました。日本国内では、2月2日に緊急事態宣言の延長が正式決定され、感染者数は先進国では抑えられているとはいえ、40万人を超えています(2月8日現在)。
この最悪の状況を打開するべく、世界中の製薬メーカーや大学の研究機関などでは、急ピッチでワクチン開発が進められています。西側諸国などでは、既にワクチン接種の報道が聴かれますが、日本国内で一般にその機会が訪れるのは一体いつになるのでしょうか。国内で承認申請中のワクチンもありますが、具体的なスケジュールはまだ報じられていません。
今回のコラムでは、ワクチンについて情報発信していきたいと思います。前半では、新型コロナウイルスワクチンについて、後半では、ワークプレイスに対するワクチンとして、当社が取り扱う感染症対策製品「delfino(デルフィーノ)」についてご紹介していきたいと思います。
最後までぜひお付き合いください。
ワクチンとは
ワクチンという単語。先進国では非常に一般的であり、ほとんどのかたが幼少期にいくつかのワクチンを接種しているのではないかと思います。それ以外でも、インフルエンザの予防接種などは会社毎で推奨されるケースも多く、毎年接種しているかたも大勢いらっしゃると思います。
ワクチンが話題に上るとき、その効果や副作用についてセットで議論されることが多いようです。新型コロナウイルスのワクチンについても同様、賛否があります。それもそのはず、
新型コロナウイルスのワクチン接種は、任意です。
任意ということは、個人が自らの判断で接種するかどうかを決定しなければなりません。そのためには、
・そもそもワクチンとは何なのか?
・新型コロナウイルスに対して、どのように働きかけるものなのか?
を知らないことには、正しく検討することができません。この機会に一緒に整理していきましょう。
まず、ワクチンを語るうえで欠かせないのが、
病原体と免疫
の存在です。病気を引き起こす可能性のある「病原体」と呼ばれる微生物が、体内に入り込んで悪さをすることで、感染症が起こります。しかし、ヒトの体は学習します。同じ種類の病原体に対して、二度目は抵抗し退治しようとするのです。この備えのことを「免疫」といいます。
その仕組みを利用したのが「ワクチン」。病気にならないようコントロールされた安全な状態の微生物を体内に取り込み学習させることで、実際は一度も体内に病原体が入っていないにも関わらず、あたかも一度侵入したことがあるかのような情報を体内の細胞に記憶させます。そこで「免疫」を獲得させ、実際にウイルスが侵入したときに戦ってもらうというわけです。
「病原体」 :細菌やウイルスなど、さまざまな病気を引き起こす原因となる、たくさんの微生物
「免疫」 :一度侵入した病原体が再び体内に入ってきたときに、重症化しないように戦う準備をするしくみ
「ワクチン」:免疫機能を利用し、毒性を弱めたり無毒化したりした病原体を体内に取り込むこと
新型コロナウイルスのワクチンについても同じ考え方。現在開発が進んでいるワクチンはすべて、スパイクタンパクと呼ばれる突起状のタンパク質に対して働きかけるワクチンです。
念のため、スパイクタンパクに対する働きについて、当社パートナーであるデルフィーノケア社のWebサイトの記事をお借りして載せておきます。だいぶ専門的なので、読み飛ばしていただいても大丈夫です。

スパイクタンパクは、ヒト細胞受容体に結合した後、ウイルス膜はヒト細胞膜と融合し、ウイルスのゲノムがヒト細胞に入り、感染を開始できるようになります。
(デルフィーノケア社 Webサイトより抜粋)
mRNAワクチン(mはメッセンジャーの意味)では、新型コロナウイルスの遺伝子情報をもとに、ウイルスの表面にスパイクタンパクのみの遺伝子(mRNA)を作成します。そのmRNAを油でできたカプセルに包み、ヒトに接種すると、mRNAの情報通りにヒトの細胞がウイルスのトゲの部分のみ作成し、細胞表面に提示します。それをヒトの免疫細胞が認識し、トゲに対する抗体を作ります。
ワクチンについて理解を深めていただいたところで、次は、話題の新型コロナウイルスの変異株についてです。
ウイルス変異株について
新型コロナウイルスのワクチン開発のニュースに並行して、変異ウイルスの存在やその脅威について報じられることが増えています。読者の皆さんにも、開発されたワクチンが変異株に対して効果を示すのかどうか、心配なかたもいらっしゃるのではないでしょうか。
そのことを心配する前に、認識しておかなければならないことがひとつあります。それは、
「変異株の存在」と「感染拡大のスピード・範囲など」には、未だ明確な因果関係は認められていない
という点です。「変異株が見つかったから、さらに感染拡大している」というような極端に恐怖心を煽るような報道が散見されますが、読者の皆さんはくれぐれもご注意ください。
とはいえ、変異株が増えると、ワクチンの効果に対して心配になるもの…。でも安心材料があります。
ワクチン開発している製薬各社は、変異株の発生ごとに入手し、試験を繰り返しています。モデルナ社製ワクチンが英国と南アフリカで検出された変異株への有効性が確認されたとの報道(1月25日)や、ファイザー社製ワクチンでも有効性確認が報じられています(1月28日)。有効性が弱まる変異株の存在も示唆されていますが、数週間で調整することができるという発表もありました。
というのも、製薬各社は変異株の存在について当初から想定済なのです。なぜなら、
ウイルスは、感染して増殖した段階で、変異するもの
だからです。全ての生き物がそうであるように、ウイルスも、種の保存のために有利な姿に変化し続けます。ウイルスは、宿主(=人や動物など、ウイルスに寄生される生物)の体内で増えたり広がったりしやすい種(=適応した種)が生き残り増殖、それが体外に排出されて感染拡大していく、ことを繰り返しているのです。
「変異株が見つかった」
「感染力が●%高いらしい」
などという偏りがちなメディアの報道に振り回されず、まずは「うつらない、うつさない」地道な感染対策に取り組んでいくことが重要です。
ワクチンは、いつ接種できるの?
つづいて、ワクチン接種の時期について触れていきたいと思います。
まず、ワクチン開発で先行しているのは、
・米ファイザー&独ビオンテック製
・英オックスフォード大学&アストラゼネカ製
・米モデルナ製
の3種。西側諸国などでは既に承認され、接種が開始されています。いずれのワクチンも2度の接種が必要、2度目完了まで免疫が完成しません。日本政府は、これらのワクチンについて既に3億回分以上の契約を締結していると発表しており、承認され次第、以下の順番に接種を開始するとしています。
1.医療従事者
2.高齢者(1957年以前に生まれた人)
3.基礎疾患を有する人や高齢者施設の従事者
4.それ以外
接種は無料の予定で、場所は「原則、居住地の市町村」と発表されています。集団でのワクチンの接種にあたっては、人員の確保や環境の整備に加えて、物流の問題も大きな課題として残ります。ワクチンの国内流通の許認可と並行して、環境整備や物流の課題解決が早急に解消されていくことが望まれます。
また、最大の関心事であるワクチン接種の時期。当初は2月下旬から予定と報じられていましたが、最近の報道では名言されていないようです。
その時期が到来するまでは、従来通りに個人ができる感染症対策である「マスクの着用」「三密を避ける」「手洗い」などを徹底し、感染拡大を防止していきましょう。
ワークプレイスにもワクチンを

ここまでは、ヒトへのワクチンについて触れてきましたが、最後に「ワークプレイスへのワクチン接種」について皆さんにお伝えしていきたいと思います。
マスクや手洗い等、個人で行うことができる感染症対策は非常に重要。しかし、それらはどうしても個人の衛生意識やモラルに依存してしまうという課題がありました。
その課題に対するソリューションが、
「デルフィーノまるごと抗菌コーティング」
です。医療の現場から生まれたデルフィーノは、安心・安全且つ長期間効果が持続する感染症対策製品。私たちFRSは、2017年から全国法人様に向けて販売しています。この製品の発想は、
個人のモラルや衛生意識に依存した方法から脱却し、空間を予めコーティングすることで感染症予防しましょう
というもの。まさにワークプレイスに打つワクチンというわけです。当初から大変ご好評いただいていますが、コロナ禍の影響で、多数のお問い合わせをいただくようになっています。
当社のWebサイトにデルフィーノの特設ページを設けており、60秒動画を掲載しています。ぜひご覧ください。
ページでは、オフィスの抗菌コーティングついて紹介させていただいていますが、実績は、大手学習塾や病院、学校や交通機関など豊富です!
これからの感染症対策を真剣に考えたい、情報収集している、等々、ご検討中の事業者様は、ぜひ以下のリンクからお問い合わせください。【お問い合わせ】
個人で行なう感染症対策(マスクの着用、三密を避ける、手洗いの徹底など)は、これからも続けていきましょう。そのうえで、ワークプレイスにもワクチン接種するという、より高度な感染症対策もぜひご検討ください。
今月も最後まで読んでいただきありがとうございました!
(著:FRS広報チーム)
参考資料
・WHO Coronavirus Disease (COVID-19) Dashboard
・感染症を正しく恐れる 其の二 ~ ワクチンとは(入門編)~(デルフィーノケア社)