
現代日本人にとって、もっともポピュラーな感染症のひとつ「インフルエンザ」。その感染力の強さから、オフィスや学校など、屋内に多くの人が集まる環境における大きな脅威であり続けています。
コロナ禍では感染者数が大幅に減っていたインフルエンザですが、2023年は、例年よりもだいぶ早く流行がはじまっており、9月以降、インフルエンザによる学級閉鎖・学校閉鎖が全国各地で相次いでいます。
東京都感染症情報センターの開示資料をみると、流行の早さが一目瞭然です。

本ブログでは、オフィス内で発生すると業績にも影響しかねないインフルエンザについて、分かり易く整理していきます。
目次
インフルエンザとは
インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる急性呼吸器感染症です。感染力が非常に強く、なんと日本では毎年約1千万人、約10人に1人が感染していることになります。
インフルエンザウイルスは、A型、B型、C型の3つの型に分類されますが、そのうちA型とB型は季節性インフルエンザの原因となります(C型は比較的軽症)。A型は144種あるといわれるほど多様です。現在、人の間で流行しているのはA/H3N2(香港型)、A/H1N1(ソ連型)の2種類ですが、さらに小さな変異を繰り返しています。
ただでさえ症状の重たいインフルエンザですが、このように多様性に富んでいるために、過去にA型インフルエンザに感染したとしても、再びA型インフルエンザに罹患することがあります。
インフルエンザの感染経路
インフルエンザウイルスは、主に感染した人の咳やくしゃみなどの飛沫によって空中に放出され、それを吸い込むことによって感染します(飛沫感染)。また、ウイルスが付着したものをさわった手で、口や鼻の粘膜をさわることでも感染します(接触感染)。近年の研究では、インフルエンザウイルスを含んだ飛沫がさらに小さな飛沫核となって空気中に浮遊し、感染する可能性が示唆されており(空気感染、または飛沫核感染)、注意が必要です。
インフルエンザの症状
インフルエンザの典型的な症状は、発熱(通常38℃以上の高熱)、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛、咳、鼻汁、のどの痛みなどです。また、吐き気や下痢などの症状が出ることもあります。インフルエンザは、高齢者や小児、基礎疾患のある人などではさらに重症化しやすい傾向があります。重症化すると、肺炎や心筋炎、脳炎などの合併症を引き起こすことも。
インフルエンザの治療
インフルエンザの治療には、対症療法が中心となります。解熱剤や鎮痛剤、咳止め薬などの薬を服用して、症状を和らげます。また、重症化した場合は、タミフル、イナビルなどの抗インフルエンザウイルス薬が使用されることもあります。タミフルは安全な医薬品なのですが、まれに副作用が生じることもあります。意識がもうろうとする、幻覚が見える、じんましん、皮膚の異変など、服用後に異変を感じた場合には医師に相談しましょう。
オフィスのインフルエンザ対策まとめ

インフルエンザがオフィス内でまん延、従業員の健康被害が拡大すると、納期遅延や品質の低下につながり事業継続にも影響が及ぶ可能性があります。インフルエンザは毎年流行する感染症。予防対策をしっかりと行なうことで、感染リスクを減らすことができます。
オフィスのインフルエンザ対策は、以下の7つが有効です。それぞれ、または併用することで感染拡大を防いでいきましょう。手間・コストが少ない順番にご紹介します。
① インフルエンザ対策を啓蒙する
とにもかくにも、インフルエンザ対策を周知する啓発活動は大切。オフィス内にポスターやチラシを掲示したり、インフルエンザ対策に関する研修を実施したりすることで、従業員の意識を高めることができます。

厚生労働省から提供されているポスターは、余白にデザインやテキストを追記して、自社用に加工することができます(※使用目的が感染予防の趣旨から逸脱しない限り)。他のデザインも用意されているので、活用してみては。

オフィス運用を社員に周知できるアイテムの一つがピクトグラム。FRSでは、オフィスでご活用いただけるピクトグラムを作成しており、感染症対策に関連するピクトグラムもご用意しています。上記画像よりダウンロードできますので、貴社のオフィスにあわせてご自由にお使いください。
② 感染者の早期発見・早期隔離
インフルエンザの症状が出た従業員を早期に発見・隔離することは、感染拡大抑止に非常に有効。体調不良の従業員に対して、自宅待機を勧奨、早めに医療機関を受診するように呼びかけましょう。日頃からの従業員とのコミュニケーションはとても大切です。
③ 手洗いの奨励
インフルエンザウイルスは、手指を介して感染するケースも少なくありません。こまめに手洗いを行なうことで、感染リスクを減らすことができます。手洗いにかける最適な時間は30秒。ちょうどハッピーバースデーを2回歌う長さだとか(声に出さないように注意してください)。
④ マスクの着用の奨励
飛沫感染防止には、マスクの着用も有効な手段。ただし、マスクを着用しても、完全に感染を防ぐことはできません。また、マスクの本来の役割は「うつさないこと」。体調が怪しいなと感じた人は、真っ先にマスクを着用しましょう。マスクの素材は目の細かい不織布がオススメです。マスクがない場合でも、咳やくしゃみをする際は、ハンカチやティッシュなどで口と鼻を覆うのも大切なマナーです。
⑤ 換気の徹底
インフルエンザウイルスは、空気中を漂う飛沫核によって感染するケースが近年示唆されています。窓を開けることができるオフィスでは、定期的に換気しましょう。
⑥ オフィスの入口やトイレなどに消毒液を設置する
アルコール消毒液は、インフルエンザに効果を発揮します。インフルエンザウイルス本体を取り囲んで構造を維持し、感染を助ける「エンベロープ」と呼ばれる膜をアルコールの成分が破壊することで、ウイルスを不活化する(=感染性を失わせる)ことができます。
⑦ ワクチン接種
インフルエンザワクチンは、インフルエンザウイルスの表面にある抗原を接種することで、体内に抗体をつくる効果が認められています。会社から接種代金を支給するなど、従業員に対してワクチン接種を推奨するのも有効な手段です。毎年秋頃に時期を決めてワクチン接種奨励期間を設定するなど、習慣化させるのも良いと思います。
オフィスのワクチン「delfinoオフィスまるごと抗菌」
さいごにご紹介するのは、オフィスに打つワクチン「delfinoオフィスまるごと抗菌」。私たちは代理店として2017年に販売・施工を開始以来、多くのお客様にご愛顧いただいています。このプロダクトは、感染症から従業員とその家族をまもり、企業の安定運営(=BCP対策)のために力を発揮してくれます。
プロダクトについて60秒の動画でまとめたものをご用意していますので、ぜひご参照ください。
※動画は音がでますのでご注意ください。
健康経営に取り組んでいる企業や、プロジェクト単位で開発を行なうことから感染拡大が業績に影響しやすいシステム・ゲーム開発会社、話す機会が多く、デスク数以上の従業員が出入りするコールセンターなど、特に相性の良い企業もあります。
まとめ

今回は、インフルエンザについてまとめました。
繰り返しになりますが、インフルエンザは、毎年流行する感染症です。オフィスなど人の集まる場所では、しっかりと対策を行なうことで、感染リスクを低減し、健康を守ることができます。また、コロナ禍での教訓のひとつ「三密の回避」も有効な方法です。通勤時間をラッシュ時の前後にずらすだけでもリスクを低減することができます。
インフルエンザに限らずオフィスにおける感染症対策は、ひとりひとりの良識も大切ですが、会社側で提供する施策が効果を発揮します。対策についてのご不明な点や、「delfinoオフィスまるごと抗菌」について興味のあるかたは、お気軽に当社までお問い合わせください。
最後までお読みいただきありがとうございました!
(著:FRS広報チーム)