
ドイツはケルン発祥、70年の歴史を誇る最先端のオフィスやファシリティの見本市「ORGATEC(オルガテック)」が、2024年も東京に上陸しました。
今回で3回目を数える東京開催。出展社数163社(2023年は約120社)、来場者数は40,000人(2023年は約26,000人)と前回を大きく上回る大盛況ぶりでした。
卓越したデザイン、そこには思考や機能、スタイルがあり、美しさだけではなく時代を切り拓くポテンシャルが息づいている。そして働く環境において、さらなる効率化を促し、ライフとワークを調和させ、イノベーションを起こす場を創造する。「オルガテック東京2024」のコンセプトは2023年に引き続き「SHIFT DESIGN」。クリエイティビティあふれる人や家具、空間が集まる一大イベント。ワークスタイルの未来が、ここで体感できる(ORGATEC東京 公式サイトより)。
今回は、オルガテック東京2024について、現地リポートをお届けします。
目次
オルガテック東京2024 ピックアップ

世界中からあらゆるプロダクトが集まるオルガテックでは、出展者も来場者も国際色豊かで多彩。2024年も会場には様々な言語が飛び交っていました。
コンセプトは2023年と変わらず「SHIFT DESIGN」でしたが、今年の会場の様子は、さらに裾野が広がって進化した印象を受けました。地球環境への貢献、サステナビリティ、ウェルビーイングなど、各社とも現代オフィスに欠かせないテーマを踏襲したデザインのプロダクトで臨んでいるものの、昨年に比べてそのオリジナリティ、本気度が感じられる見応えのある展示会でした。


連日行なわれた各分野のエキスパートらが登壇したセミナーも満員御礼だった様子、非常に盛り上がっていることが外からでも分かりました。
このように、オルガテック東京2024は、コンテンツが充実し、学びや刺激に満ちた場所になっていました。それでは、展示ブースのなかで大きな存在感を示していた什器メーカー3社のブースからご紹介しましょう。
KOKUYO

コクヨ社の展示ブースの名称は「KOKUYO Central Station」。ターミナル駅で出発を待つ3本の列車のなかには、同社がオルガテック東京2024でフォーカスする3つのブランドのプロダクトが展示されています。
キーワードは『さあ、つぎの「はたらく」へ。』とし、お客様が目指す理想の「はたらく」のあり方を探す旅をコンセプトに、コクヨの3ブランドである「Any way」、「SAIBI」、「DAYS OFFICE」による3つの世界を体験いただけます。(コクヨ公式リリースよる)

童心に返り、自分しか知らない秘密基地に入っていくようなワクワクした気持ちにさせられる、今回の開催でもっとも楽しませてくれた展示でした。


「環境配慮を意識したプロダクトの展示」とて、そもそも数日間の期間限定で開催される展示会はスクラップ&ビルドを繰り返すのが宿命。そんな大規模な展示会の在り方にも一石を投じているような、深く考えさせられる展示ブースとなっていました。

OKAMURA

オカムラ社の展示ブースのテーマは「Workstyls Journey +」。1945年の創業から日本のビジネスパーソンとともに歩み、オフィス風景を彩ってきたオカムラ社の長い歴史を紐解きながら、近未来のオフィスの在り方、新しい価値を提案していく秀逸なストーリー展開。エモーショナルでもあり、パッションを感じる楽しい展示ブースでした。
「はたらく」を創造する、“挑戦”への旅
過去から現在、そして未来へ。「はたらく」の進化の変遷。私たちは時代と共に変わる働き方を常に先読みし、その時代の「はたらく」に「+αのチカラ」を生む製品とサービスで新たなトレンドを切り拓いてきました。戦後の高度成長期から現代のハイブリッドワーク時代まで、リーディングカンパニーであるオカムラの視点で、働き方と働く場の軌跡をふり返ります。そして今、未来への挑戦が始まります。次の10年に向けて、未来の働き方の可能性を探求し、可視化します。未来の「はたらくチカラ」を創造する旅、それがオカムラの新たな挑戦です(オカムラ公式リリースより)。






ITOKI
オルガテック東京2024のプラチナパートナー「ITOKI」。独創的な家具の展示の数々も、多くの来場者の注目を集めていました。


運営からも「オルガテックのレベルを引き上げる展⽰であり、グローバルな発想での新しいオフィス空間の提案を含む 6 つのブランドがオーガニックな動線で来場者の注⽬を集めた」との評価を得て「ORGATEC TOKYO Awards」において準グランプリを受賞。



一挙ご紹介 オルガテック東京2024

カリモク家具
最初にご紹介するのは、オルガテック「SHIFT DESIGN」の体現する製品やブースを称える「ORGATEC TOKYO Awards」において、グランプリを受賞した「カリモク家具」。運営の評価は「色彩豊かにファブリックを使った心地良いブースでゆるく繋がりつつ、家具に限定されない国産木材の使い方にも一石を投じた」というもの。



日本製鉄
展示会場内でひと際異彩を放っていた「世界は鉄でできている」でおなじみの日本最大手鉄鋼メーカー、日本製鉄社。メタル製品の数々を展示しながら、鉄のSDGsへの貢献について来場者に説明されていました。

鉄鋼業全体のCO2排出量は、2020年度データ製造業全体(371百万トン)の35%と最大。鉄1トンを生産するためには約2トン(2倍)のCO2を排出するといいます。

しかし、ひとたび鉄になれば、リサイクル時の変形に際して排出量は少なくて済むのも大きな特徴です。日本製鉄社では、2030年にCO2排出量30%減、2050年にカーボンニュートラルをめざすと掲げています。
チヨダウーテ
吉野石膏社と国内の石膏ボード市場を二分するチヨダウーテ社。展示は「チヨダサーキュラーせっこうボード」。

石膏ボードから作られたリサイクル石膏を100%原料に使用し、実質製造時のカーボンニュートラルを実現した世界初のせっこうボードで、社会課題である温室効果ガス削減、サーキュラーエコノミーの実現に貢献する製品です(チヨダウーテ公式リリースより)。

製造工程の熱源にも、再生可能エネルギーを使用しているとのこと。経営における最優先事項のひとつに環境問題に対する取り組みを置いている、素晴らしい企業展示でした。
なお、価格は、レギュラーボードの価格を少し上回る価格だそうですが、CSRの観点から市場に好意的に受け入れられそうです。
音問題に対する多種多様なプロダクトの展示
今回は、吸音材など音問題に関わるアイテムを、数多くのブースでみることができました。
注目を集めていた展示のひとつである落合陽一氏らの率いるピクシーダストテクノロジーズ。独自の音響テクノロジーを活用した吸音材や、音声認識アプリケーションなどを展示していました。






働き方の変化に伴い生まれる音問題については、別ブログで取り上げる予定。解決にむけた製品のご紹介もしていきます。
その他の素晴らしい展示の数々


















まとめ

今回は、オルガテック東京2024の展示会レポートをお届けしました。
展示会で得た最新の家具や機材についてのインプットやインスピレーションは、今後のご提案に活かしてまいりますので、今後のFRSのデザインチームにどうぞご期待ください。
個別のプロダクトについての詳しい情報やご不明な点などは、ご遠慮なく当社までお問い合わせください。
最後までお読みいただきありがとうございました!
(著:FRS広報チーム)
参考資料
・コクヨ、オフィス家具見本市「オルガテック東京2024」へ出展(コクヨ公式)
・「オルガテック東京2024」出展のお知らせ(オカムラ公式)
・鉄鋼業の脱炭素化に向けた世界の取り組み(資源エネルギー庁)