
健康経営という言葉が登場して久しいですが、具体的な活動例や、その効果をご存知の方は多くないかもしれません。残業時間の上限規制が厳格化される2019年。今回のコラムでは健康経営について触れたいと思います。
健康経営とは
「健康経営」とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されます。
また、この健康経営の考えに基づきオフィスで健康を促し、保持することで従業員が最大限のパフォーマンスを発揮できる環境づくりをすることを「健康経営オフィス」といい、オフィス環境による健康促進方法は大きく分けて7種類のカテゴリーに分類できます。

なぜ健康経営が必要なのか
「プレゼンティーズム」と「アブセンティーズム」という言葉があります。健康問題による業務パフォーマンス低下の主な要因とされており、これはWHOにも業務パフォーマンスの損失を表す指標として提唱されています。
プレゼンティーズム:健康問題による出勤時の生産性の低下
アブセンティーズム:健康問題による欠勤(病欠)
健康経営を促進することで「プレゼンティーズム」、「アブセンティーズム」の解消が見込まれ、その先には医療経費の節減、生産性の向上、従業員の創造性の向上、企業イメージ向上、企業のリスクマネジメントなど、経営貢献に繋がります。
実際の例では、世界的大企業ジョンソン&ジョンソンが有名です(引用元:ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループ)。
■健康経営における投資
人件費、システム費、設備費、保健指導などアプリを使った健康促進を行ない、従業員の健康を支援するプログラムを実施。
・全従業員対象研修プログラム
・ワークライフバランス支援
・従業員支援プログラム
・所定労働時間内禁煙ポリシー
■効果
・生産性の向上:欠勤率の低下、プレゼンティーイズムの解消
・医療コストの削減:長期的医療費抑制等
・モチベーションの向上:家族も含めた忠誠心と士気の向上
・リクルート効果:就職人気ランキングの順位上昇で採用が有利
・イメージアップ:ブランド価値の向上
健康経営に対する投資1ドルに対して、3ドル分の投資リターンがあったと報告されています。
健康経営を意識した中小企業事例
全国の中小企業でも、従業員の健康を意識した様々な取組みを行なっています(引用元:ティーペック株式会社「ホワイト500」)。
取り組み例
・健康診断受診100%を目指す
・特定保険指導90%以上を目指す
・朝礼で体感トレーニングを取り入れる
・サークル活動の実施/推奨
・人間ドック費用の補助
・休憩所への運動設備設置
従業員に健康を意識させる事も企業側としては非常に大切な事です。このような社員の意識改革や取り組みが後に、業績アップや社員定着に繋がり、また、経済産業省が実施している「ホワイト500」の認定を受けられると採用の面でも企業イメージアップに繋がります。
まとめ
今回は、健康経営についてご紹介してきました。健康経営の取り組みはコストがかかると思われがちですが必ずしもそうではありません。労働人口が減少するといわれている今の時代、人材の確保や人材の定着は急務。ミレニアル世代(38歳以下)は比較的、給料の金額よりも働く環境やプライベートとの両立を重視する傾向があります。
経営を長い期間で見据え、戦略的に健康経営について考えていく必要がありそうです。