
業務効率化を進めるにあたって、はじめに取り組みたいのが「オフィスの片付け」。
新入社員、異動してきたばかりの従業員やアルバイトスタッフに至るまで、誰もがストレスなくものを探せる制限時間は30秒以内と言われます。それ以上の時間を要する場合、作業効率が落ちてしまうそう。
今回は、当社のパートナーから学んだ整理整頓・収納の極意を皆さまにご紹介いたします。
「片付け」の必要要素とは
自宅の片付けと、オフィスの片付けの決定的な違いは、自分も使うけど、 自分に属していないモノがあるという点。オフィスには、使用者は個人、所有者は会社(法人)のものばかりです。
自己の所有ではないものであっても、自分自身がゆとりをもって業務に励むため、無駄な時間をなくすため、など当事者意識をもって片付けていきましょう。
さて、改善の第一歩は「モノの整理」。整理には、
・不要なものを取り除く
・整える
・分ける
という3つの要素があります。それぞれのポイントをチェックしましょう。
① モノの適正量を判断
収納しているモノを一度全部出して分類することからスタートします。分類は、たったの3つ。
A:使ったもの | 再度収納する |
B:使っていないもの | 処分の仕方を決めておく |
C:迷うもの | 保存期限を決めて一時保管 |
※基準は直近1年~2年で設定しましょう
実際に使ったか、使わなかったかというシンプルな基準をもとに分類していくと、 「会社の仕事に必要なモノの量」がわかります。
② モノの住所を決める
A:使っているもの
体の動線・オフィスの動線に合わせて収納します。体の動線では、立った状態での目線の高さが一番のゴールデンゾーン。使用頻度のもっとも高いのがココです。重いもの・次によく使うものは、かがむ行為は比較的容易なので下部へ。肩から上は身長差も影響するため、使用頻度のさらに低いもの・軽いものを上方に仕訳けます。
B:使っていないもの
ゴミとして処分する以外にも、寄付をする、 売却するといった処分方法もあります。
C:迷うもの
段ボール箱などに収納、中身と保存期間を箱を開けなくてもわかるように記入しておきましょう。
③ ルールを決めて運用する
整理整頓は、「一度限りの大掃除」ではありません。状態を維持するためには、「何のために整理をするかという共通認識」を持ち、ルールを決めましょう。
一方的な「整理して」という指示のみでは、自己流で終わってしまいます。人によっては、「空いているスペースに突っ込んでおけばよい」と思われてしまうかもしれません。
社員教育の一環として、「当社の整理整頓ルール」を策定するのも良いと思います。
整理整頓の注意点

整理整頓された状態を維持するためのルール作りをするうえで注意すべきことがあります。それは「主観的判断」や「世代間ギャップ」。
・これは当時高価だった
・シェアトップを獲得したときの記念に作成したノベルティだ
などなど、感情に左右されてしまうのが主観的判断です。世代間ギャップの例、
・年配社員は、個人の広い収納スペースを希望する
・若手社員は、ロッカーひと箱で十分
など。ペーパーレス化に馴染んだ若手と、「紙」がベースの年輩社員には、感覚的なギャップがあることもしばしば。それらの主観的判断と世代間ギャップを放置したままでは、ルール作りをうまく進めることができません。片付けを掘り下げれば、コミュニケーションの取り方に繋がります。あらかじめ決めたルールを定期的に見直しながら、維持管理に努めましょう。
キャビネットの活用術

テレワークが推進され、オフィスの最大の価値がコミュニケーションに置かれるようになりつつあります。壁の少ないオープンスペースが増えていることで、設置場所が壁際であることの多いキャビネットは、配置が困難に。
そこで活躍するのが、ローキャビネットを組み合わせたレイアウトです。腰から下のゾーンでも、立ったままモノを取れるよう、前述した「人の動線」を意識して仕分けしていくと良いです。
キャビネット内の整理は、アクション数の少なさで
アクション数とは、モノを取り出すまでの行動回数。引き出しならば、引き出すのが1、次にモノを取り出すのが2というようにカウントします。このアクション数は、2までが良いと考えられています。キャビネット内に、さらに収納ケースを入れると、アクション数が増え、かえって使い勝手が悪くなる場合も。
アクション数管理はファイリングでも有効です。30秒以内に、初めて書類を探す人が目的のファイルにたどり着くために2アクション以内で探し出せるようにします。収納箱に「従業員履歴書」と記載し、箱の中のファイル名に「従業員履歴書:あ行」と記載しておけば、誰もが分かり易いですが、「人事関係」と記載すると、不明瞭です。
2アクションで目的にたどり着けるか、という視点で収納する考え方、オフィスだけでなくご自宅の収納でも有効ですのでご活用ください。
まとめ
日常業務が忙しいから片付けなんてできない、というのはじつは間違い。忙しいなかでも時間効率を高め、且つミスを減らすのがオフィスの整理整頓です。「乱雑な状態を視覚で捉えると、脳の疲労度が増す」というデータも…。
文房具を集約することは経費削減につながり、不要な荷物を減らすことは災害時の安全な導線にも貢献します。美しいオフィスは企業イメージの向上にもつながります。このように、整理整頓には時間効率、業務効率、経済的効果、精神的効果などさまざまなメリットがあります。
オフィス環境美化・効率化で業績を上げたいときには、お気軽に当社までお問い合わせください。
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